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ロジックと美は1つ – メットガラ ドレスをまとった美術館

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友達に薦められて、【メットガラ ドレスをまとった美術館】をみました。

AmazonのPrime Videoで鑑賞できます。

 

感動しました。

1年に1度、ニューヨークのメトロポリタン美術館(メット)で開催される、世界最大のファッショイベント & 展示『メットガラ』のドキュメンタリーです。

このイベントの目的は、服飾部門の資金調達。それを担うのが、メットの理事にも就任しているUS VOGUEの編集長、アンナ・ウィンター。

彼女が就任してからの資金調達は、なんと1億2000万ドル超。

は…?!まじか。
どんな仕事ぶりだろう…?と興味が出ません?

アナの元アシスタントが書いた『プラダを着た悪魔』の鬼編集長モデルにもなった(と言われている)アナですが、もう、現場での彼女の仕事ぶり、決断の的確さ、速さに舌を巻きました。

さらに驚いたのは、アナが大きなことから細かいことまで、全てを完璧に仕切ってること。

ガラの企画、空間デザイン、招待者の数、セレクト、席順(これが一番大仕事)、テーブルセッティング、そして、通常のパフォーマーの2倍のギャラで予算割れだったリアーナのギャラの交渉まで。

これまで大規模の展覧会に対して、いつも以上の短い準備期間で、イベント当日までてんやわんやの現場。ガラの日に招待客のセレブを前にパフォーマンスを行うリアーナのリハーサルが営業日になってしまう。リハーサルをすると、神殿を閉めなくちゃいけない。それは無理。ということで、反対する美術館スタッフにアナ様が一言。

アナ「神殿を閉めてください。もしリハーサルしなければ、スタッフが3日3晩、徹夜になってしまう。リハーサルなしはあり得ない。」

美術館スタッフ「でも、ビジターがくるのに」

アナ「彼らは、またくればいい」(ピシャリ)

すごく冷静に、スタッフを守り、メットのためのミッションを貫いた。かっちょいー。

彼女は、メットのために資金調達でこの仕事をしてるわけだから、何を優先するかが明確なんですね。凍った冬の女王、なんて言われますが、彼女はすごく視野が広い人なんですね。

そして、プロジェクトとチームのためのミッションとロジック、美学も明確。

(別の場面では、「神殿には装飾はいらない。わざとらしくなるから。その青い花はいいわ。でも、それ以外の花はやりすぎね。青にあわせるなら、淡い色が映えるから、それにしてください」・・・以上1分でディレクション終了。はやっ)

彼女が、このプロジェクトにおいて、これだけの情熱を注ぐ、その相手は「服飾カルチャー」。アナが、このミッションを完遂するためにバックアップしてる人物が、当時キュレーターだったアンドリュー・ボルトン。

また、このアンドリューさんが、80年代にニューロマンティクスに魅せられた少年のまんま、ピュアに「ファッション」が広げる世界と自由が好き!という感じで、とても可愛いんです。

中でも、パリのイヴ・サンローラン財団で、アーカイブを見せてもらってる時に「あの作品はありますか?観たい!」と、目をキラキラさせて「わー… 夢がかなった…」と話す姿が印象的でした。

私もこれまで様々な形でファッションとカルチャーに関わってきましたし、個人的もたくさんの服飾文化をみて触れてきたほうだと思いますが、考えていたことを遥かに超えて、いかに「服」が多くのことを伝え、表現しているかが、このドキュメンタリーを通じて、痺れるほどに伝わってきました。

服は、単なるトレンドにあらず。

人と環境の間をつなぐ神経網のように情報伝達をしているし、間である「服」そのものが、人と環境に変化を及ぼす影響も与えうるくらいの力を持ってることを、初めて、とてもリアルに、認識しました。

このドキュメンタリーは、映像で服飾のそのものの美しさをとらえ、さらに、アナを含め服飾の魅力を知る人たちがいかにそれを表現しようかと心血を注ぐ姿をとらえ。その全てを通して、服飾が私たちの生命の息吹をあらわしてることを証明している。

数字やロジックを見る人は美を否定し、美を尊ぶ人は数字やロジックを否定します。しかし、どっちかに偏るものは、もう感動を呼ばない。本当は両方とも1つなんだよ。

それは生命だ。

ビジネスは生命のひとつの形態でもあり、また、生命を思ってもみない飛躍に導く手段でもあると思いました。それが感動を引き起こす。

今日は、すごいインスピレーションを受けたので、なんだか語り気味です。

梅澤さやか
株式会社KAFUN代表取締役


 

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