
7月半ばくらいから、友達が集まると「観た?あれ」「あれでしょ?」という暗号めいたやりとりが繰り返されバイラルしてる映画。
それが『カメラを止めるな!』。
・
今年6月公開された当初は2館公開だったところ、あまりの熱気にアスミックエースが共同配給を申し出、8月から上映館を100館に拡大して連日満席が続いて話題になっているので、チラチラみてご存知の方も多いと思います。
私も友人に薦められて、観に行きました。超・絶・オ・モ・シ・ロ・か・っ・た!です!!!!!
・
なにせ、もともと監督・俳優養成学校の講座の一環として作られた作品。
スターに依存した集客、同じような出演者、原作ありきでマンネリ化し、日本映画において、「こういうものしか当たらない」という業界のジョーシキを打ち破り「低予算でも、無名の俳優だけ起用しても面白もん作れるし、映画館に人が来るんだ!」→なんと予算300万円!で製作した映画が、現時点で5,000万円の興行収入)と、新しい境地を切り開いてくれました。
というわけで、ここ1週間ほど、ネットでも記事がでまくり。最初はほとんど宣伝してなかったので、監督もびっくりらしいです。
ここまで読んで、観にいかれようと思った方は、以下の記事はすべて読まずに、何の情報も入れずに映画館に直行してください!
「カメラを止めるな!」ヒットに監督びっくり
カギは“口コミ力” SNS→情報番組、上映2館→100館超へ
→記事 Via: IT media News
・
映画が終わった後も、「面白かった!」と、観客が口々に興奮してました。私も、すでに何人にもLINEをしてプロモート(笑)
「ゾンビ映画」がモチーフになっていること以外には、ネタバレ禁じ手の内容であることも、「え?どんな内容なんだろう?」ってバイラルを煽る一因でありつつ、全体的に面白いのが一番。あの手のノリが苦手な人が一定数確実にいる反面、好きな人には刺さりまくりであろう映画だから、紹介しやすいんだと思います。
・
でね、これだけ練り抜かれてる、しかもポップに楽しく仕上げてる映画、いったいどんな人が作ったんだろう?って思ったんです。
そこで、映画館を出てさっそく上田監督についてググりました。35才くらいの、色んな経験をある程度されている方かなー。と思ったら、その通りでした。何故そう思ったかというと、ヒットだけを見ると、偶然のまぐれにも見えますけど、そんな訳ないって思わせる一過性じゃない筋のとおったコンテンツだったからです。
最初は低予算に驚かされるから、それがフックになるけど、「予算がないから、良い」でも「予算がないけど、良い」でもない。ヒットの理由は確実にあると思いました。
このインタビュー読んで、感じました。
傑作『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督が語る。
「天才」だった自分がボコボコにされてから
→記事 Via: Huffpost
(広報ブランディング視点で見ると・・・)
・ターゲット・オーディエンスに絞ったコンテンツ
(これが不快に感じる人、ついていけない人に好かれようと思わない)
・絞り抜かれた脚本、演出、モチーフ
(ゾンビをワンテイクカメラ、前半の伏線をすべて後半で回収する痛快さ)
・チャップリンのような普遍的・ぶれないコンセプト
(近くで観たら悲劇も、遠くで見たら喜劇)
そして、すべての通底に「映画愛」(ベルリン天使の詩のような、天使の視線ですね。だってカメラを止めるな!だもん)を感じました。これ、大きい。賞賛したくなるのは、それかな?
ご覧になったみなさんは、どんな感想持たれるんでしょうか。観た方いらしたら、ぜひシェアお願いします!
関係者のみなさまの映画愛からのヒット、おめでとうございます! 🙂
株式会社KAFUN
代表取締役・梅澤さやか