10 (テン)代表・アートディレクターの柿木原 正宏さんが、ご自身のFacebookで「最近気になっていた、レベルアップという言葉に対する違和感について書いてみました。」とアップされてました。
→計算できる何かより、ふつうの感覚や気持ちを大事にデザインする — 10 柿木原政広
Via: AdverTims
1分で読める凝縮された記事で、とても等身大のシンプルな言葉で分かりやすい。それでいて、すごくビジネスの本質をついた奥行きのある内容でした。(こういうところにも、柿木原さんのデザイナーとしての素晴らしい資質が出ていると思います。)


柿木原さんはデザイナーという立場から、「仕事をする際に、どこに焦点をあてるかで、仕事の奥行きやスケールが変わり、結果が変わる」という普遍的だけど、けっこう見逃されてる事実をシェアしてくださってると思います。
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柿木原さんの場合は「自分がレベルアップしたい」に焦点をあてるのではないそうです。
自分はデザイナーである、として、「デザイナーはデザインを通じて、人と人との気持ちをつなげたり、いい気持ち、新しい気持ちになってもらうことを目指すのが仕事」と定義しながら、「僕はふつうの人の気持ちや感覚を持っていることを大事にしたいし、ずっとその場所で生活して、感じて、デザインしたい。」と、率直にどうありたいかを書いていらっしゃいます。
だから、「仕事するときはそのためには、すぐにお金になりそうなこと、結果を出せそうなことに飛びつかない慎み深さというか、慎重さが大切になります。目の前にいる人の気持ちを考えながら、すぐ数字になることではなくて、将来いっしょに心から気持ちいい時間を過ごせるような仕事を考える。」
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焦点を当ててるところが、「自分が名を馳せたい」「すごいと言ってもらいたい」ではなく、仕事をする自分も相手もその先のオーディエンスも含んだ「空間」(=気持ちいい時間を過ごせるような仕事を考える)。
頭での理想ではなく、これがシンプルに徹底してるから、柿木原さんは、グラフィックデザインを通して、ものすごく広い視野で、ビジネスや顧客体験の設計ができるんだなあ、と思いました。
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実は、私がYCAM20周年事業のPR支援をさせていただいた時に、柿木原さんがADで入られていて、ご一緒させてただいた経験があります。その時、差し出がましいながら、10(テン)さんのロゴとVI設計には、ロジックとビジュアル力の両方が10点満点(正に会社名通り!)あってすごいな。と思いました。
柿木原さんの記事を読んで、お仕事を身近で拝見した体験があるだけに、深く納得しました。
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柿木原さんは、ロジック、ビジュアルと揃ったところに、お金に関する考え方や人間関係の構築など、人格においても健全で信頼できる方ですが、これはビジネスしてると意外とすごく少ないです。でも、ちゃんと存在してます。人格が優れているまでいかなくとも、ごく一般的な配慮や関係づくりができる人材いる会社や事業が上手くいくのは、意外とその辺だけでもしっかりできる人材が少ないという理由かと思います。話ずれましたけど。
私も、精進します!
梅澤さやか
株式会社KAFUN 代表取締役